橈骨神経麻痺とは

2026年09月23日

橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)とは、腕から手にかけて走行する「橈骨神経」が圧迫されたり損傷したりすることで、手首や指を伸ばしにくくなる状態です。代表的な症状として、手首が下がってしまう「下垂手(かすいしゅ)」がみられます。手の甲や親指側にしびれや感覚異常を伴うこともあります。

主な症状

  • 手首が反らせない
  • 指を伸ばしにくい
  • 物をつかみにくい
  • 手の甲や親指周辺のしびれ
  • 握力の低下
  • 細かい作業がしづらい

原因

橈骨神経麻痺は、神経への圧迫や外傷によって発症することが多い疾患です。

長時間の圧迫

  • 腕枕で寝てしまった
  • 飲酒後に腕を下にして長時間寝た
  • 長時間同じ姿勢を続けた

これらは「ハネムーン麻痺」や「サタデーナイト麻痺」と呼ばれることがあります。

外傷

  • 転倒や打撲
  • 上腕骨骨折
  • 肘周辺のケガ
  • 深い切り傷

骨折や外傷によって神経が直接損傷される場合があります。

スポーツや反復動作

  • テニスや野球などの反復動作
  • 腕への過度な負担

神経周囲の組織が硬くなり、神経が圧迫されることがあります。


放っておくとどうなる?

軽度の圧迫による橈骨神経麻痺は自然回復することもありますが、放置によって回復が遅れたり、関節の硬さや筋力低下が残る可能性があります。

放置によるリスク

  • 手首や指が動かしにくい状態が長引く
  • 握力低下が進む
  • 筋肉がやせる(筋萎縮)
  • 日常生活や仕事に支障が出る
  • 重症例では手術が必要になることもある

特に急に手首が上がらなくなった場合や、しびれが強い場合は早めの医療機関受診が大切です。


ご自宅でできるセルフケア

① 腕への圧迫を避ける

  • 腕枕を避ける
  • 長時間同じ姿勢を続けない
  • 就寝時の寝姿勢を見直す

② 手首・指の軽い運動

無理のない範囲で手首や指を動かし、関節が固まるのを防ぎます。

③ 温める

血流改善を目的として、入浴や蒸しタオルで腕周囲を温めます。

④ ストレッチ

前腕の筋肉を優しく伸ばし、神経周囲の緊張を和らげます。

※痛みやしびれが強くなる場合は中止し、専門家へご相談ください。


当院での施術

当院では、症状の原因や神経への負担を評価したうえで施術を行います。

姿勢・動作評価

  • 首・肩・肘・手首の動きの確認
  • 日常生活動作の分析
  • 神経への負担がかかる要因の評価

手技療法

  • 前腕や上腕の筋緊張の調整
  • 肩・首周囲の柔軟性改善
  • 神経周囲の滑走性向上を目的とした施術

運動療法

  • 手首や指の機能回復訓練
  • 再発予防のためのセルフエクササイズ指導

※神経損傷の程度によっては医療機関での検査や治療を優先していただく場合があります。


症例紹介

40代男性

主訴: 朝起きたら手首が上がらない

飲酒後、腕を下にした状態で長時間睡眠。翌朝から手首を反らせなくなり来院されました。

施術内容

  • 姿勢評価
  • 前腕・上腕の筋緊張調整
  • 神経滑走エクササイズ指導
  • 日常生活指導

経過
数週間でしびれが軽減し、徐々に手首の動きが改善。現在は日常生活に支障なく過ごされています。

※症例は一例であり、効果には個人差があります。


まとめ

橈骨神経麻痺は、腕の圧迫や外傷によって起こり、手首や指が伸ばしにくくなる神経障害です。特に「手首が上がらない」「手の甲がしびれる」といった症状は早期対応が重要です。

症状を放置すると回復が遅れたり、筋力低下や関節の硬さが残ることもあります。違和感を感じた際は早めに専門家へご相談ください。適切な施術とセルフケアを組み合わせることで、症状改善と再発予防が期待できます。